2025年6月、金融庁が発表した資料「暗号資産を巡る制度のあり方に関する検討について」により、日本の仮想通貨市場が急拡大している実態が明らかになりました。本記事では、金融庁の公式統計や機関投資家の調査結果をもとに、国内の仮想通貨市場の現状と今後の方向性をわかりやすく解説します。
目次
1. 国内仮想通貨口座は1,214万件、預かり資産は約5兆円
2025年1月時点で、日本の仮想通貨取引口座は延べ1,214万口座、利用者預託金残高は約5兆円にのぼっています。2019年時点の281万口座から約4倍以上に拡大しており、個人投資家層への広がりが顕著です。
また、投資経験者のうち7.3%が暗号資産を保有しており、FXや社債と比べても相対的に高い水準となっています。
2. 投資家の関心は「分散投資」と「長期保有」に
野村ホールディングスとLaser Digitalによる調査(2024年)によれば、国内機関投資家の62%が仮想通貨を分散投資の手段として注目しており、54%が今後3年間での投資意欲ありと回答しています。
保有比率の希望としては「2〜5%」が最多で、約8割が1年以上の長期保有を前提としています。

(参照) 暗号資産を巡る制度のあり方に関する検討について, p.6
3. 米国では1,200社以上がビットコインETFを保有
アメリカでは、2024年に現物型ビットコインETFが承認されたことで、公的年金や富裕層、ヘッジファンドを含む1,200社以上がビットコインETFを保有しています。
日本においても、暗号資産の制度的な信頼性向上とともに、同様の動きが進む可能性があります。
4. 課題:詐欺的勧誘や無登録業者によるリスク
一方で金融庁には、詐欺的な暗号資産勧誘や未登録業者の投資セミナーに関する相談が月300件以上寄せられており、利用者保護の強化が急務となっています。
また、「ホワイトペーパーと実態の乖離」や「不正なICO勧誘」など、情報開示に関する課題も指摘されています。
5. 制度整備:投資対象化への対応と規制見直し
金融庁は今後、暗号資産を2つの類型に分類し(資金調達型/非資金調達型)、性質に応じた柔軟な規制枠組みを検討するとしています。
また、Web3やブロックチェーンによる経済活性化の可能性にも注目しつつ、「投資対象としての認知拡大」と「詐欺リスク対策」を両立させる制度設計が進められています。
まとめ
仮想通貨はすでに国内で1,200万口座を超え、約5兆円規模の資産が預けられるまでに成長しています。長期・分散投資の一環として、制度整備の進展次第ではさらなる拡大も見込まれます。
一方で、規制未整備の領域には注意が必要であり、投資家・事業者ともに「正しい情報と理解のもとで参加する」姿勢がより重要になる局面を迎えています。
